(滋賀)旧逢坂山隧道(トンネル)へ
関西は連日の晴れ模様。気持ちの良い日が続きますね。
今日はこちらへ行ってきました。
旧逢坂山隧道です。
こちらが今回の主役。
旧逢坂山隧道は、旧東海道本線(京都~大津区間)が明治13年7月15日に開業するにあたって、馬場駅(現在の膳所駅)から旧大谷駅の間にある逢坂山を抜けるため、明治11年に掘削。明治13年6月に竣工しました。
トンネル上部にある扁額。
このトンネルは、日本で初めて山岳に作った鉄道トンネルであり(日本最古の鉄道トンネルは兵庫県に存在した石屋川隧道。天井川の下に作られた)、外国人技術者の指導を受けずに、日本人の技術者、技能者が主体となって設計、施工をおこなった「日本の技術で完成させた初めての鉄道トンネル」である。
トンネル内部。現在はこちらの東口しか残っていない。(西口については後述)
当時のままの姿は留めていないが、遺構が現存するもので日本最古の鉄道トンネルである。(因みに当時の姿のまま現存する最古の鉄道トンネルは福井県にある小刀根隧道)
トンネル内のレンガ。見る限りだと側壁はイギリス積みだが、アーチ部分は長手積みになっている。
経済産業省が創設した近代化産業遺産に平成20年度から認定されている。
隣に位置するこのトンネルは旧逢坂山隧道上り線(京都方面)。明治31年、輸送量増強に伴った複線化によって増設。白い木製の扉がとても渋い
雄々しい。
打って変わって、こちらは旧逢坂山隧道西口。現在では、昭和38年に開通した名神高速道路の盛土の下に埋没してしまい現存せず。
西口跡の上には記念碑が建てられている。
旧逢坂山隧道は、大正10年に現在の東海道本線ルートが開業したことにより、廃止となった。現在では、京都大学の実験施設として利用されている。
当時のものではないと思いますが…。
折角なので、旧東海道本線の遺構をさらっと探索。
旧逢坂山隧道東口から琵琶湖方面へ少し歩くと発見。こちらのレンガの壁は、旧線による跨道橋の橋台。現在、橋台の上にはビルが建っている。
今週のフォント。
更に、国道一号線へ入る脇道へ歩みを進めると発見。
この穴の名は旧東川橋梁。旧逢坂山隧道とほぼ同じ時期につくられたものと思われる。
特徴は何と言ってもこのねじれ。こちらの橋梁、日本に現存している数がたった29箇所しかないといわれる「ねじりまんぽ」なのである。
これらの旧線遺構をつなぎ合わせると、旧線跡がおのずと見えてくるのだが、話が長くなるので詳細は後日…。
大雑把に旧線跡を作成。国道一号線沿いに当時、旧線があった。
いかがだったでしょうか。色濃い歴史を持つ旧逢坂山隧道。明治の近代化産業の象徴と言えるのではないでしょうか。
国道一号線を通られる際、是非寄られてみては。